くちばしの中身
中学生のころ読んだ、楳図かずおの「漂流教室」。すごく面白くて、なんだか急にもう一度読みたくなりました笑。
漂流教室にも、たしか黒死病、ペストが出てくる場面があったと記憶してます。そして主人公は翔だった、よい名前♡。
先日、NHKの番組「歴史秘話ヒストリア」をたまたま観たらペストとパンデミックの話をしていました。
人々や物資の移動とともに、感染症も地域をこえて世界に広がっていたということなどもわかりやすく説明されていたのですが、そのなかでインパクトがあったのは「ペスト医師」のいでたち。
これ今までも目にしたことがあったのですが、あらためて説明を聞くととても興味深い。
感染しないように、今でいう「防護服」のような黒いマントをまとい、直接患者にふれないよう「杖」も使っていて、マスクの中には、感染対策のハーブや香料が詰められていたということ。
この、マスクの中身が気になるのは言うまでもありませんよね。
香りの強いハーブ、薬草という記載が多かったのですが、Wikipediaには、「アンバーグリス・ショウノウ・クローブ・アヘンチンキ・没薬・バラの花びら・エゴノキ」といったものが書かれているのをみつけました。
アンバーグリスは、数年前ににおい展で嗅いだことがあります!動物性の香料。
この中で、アロマテラピーでお馴染みなのはショウノウ、クローブ、没薬、、あとはバラの花びらでしょうか。
感染症対策ということですから、ショウノウは「ラヴィンツァラ精油」を結びつけるのがいいかもしれません。ラヴィンツァラ精油に多く含まれる1,8シネオールという成分は、粘膜に働きかけるもので、菌が体内に入らないよう戦ってくれることが期待できます。
クローブ精油は、フェノールを多く含み、抗菌や抗ウイルスといった作用が期待できます。特にオイゲノールは麻酔のような働きや鎮痛が期待でき、歯医者さんのにおい、を思い出させてくれます。
没薬というのは「ミルラ」のこと。ミルラはミイラの腐敗防止に使われたともいわれるくらい、古くから利用されています。ミルラ精油は鎮痛作用や、甲状腺への働きかけも期待できます。
これらを一緒に嗅いだときの、スパイシーさと心地よい強さや甘さが、このくちばしマスクに詰め込まれていたのかな、と想像をしてみました。
この、ペスト医師のいでたちが、どこまでペストの感染対策に有効だったかはわかりませんが、「未知の病気の流行」というわからないものへの恐怖や不安といったものは、どんな時代でも同じなのだなと思いながら、番組を見ていました。
今ほどいろんなことがわからなかった時代にも、感染症対策として活用されていたハーブ、薬草、香り。そしてそれらは、分析することができる今、それぞれに薬理作用があることも確認されています。
植物の「香り」の成分をセルフケアに活かしていくのがアロマテラピー。
そして、その香りの好みから今の体の状態を分析するのが嗅覚反応分析です。
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